「カップの王子(Prince of Cups)」の意味・解説 <トート・タロット>
エレメント:水の宮の風
生命の樹:ティファレト(美)
カップの王子は「水の宮の風」で、水は風によって嵐となることを示している。それは、感情から発生する思考である。
戦車を牽くのは、天蠍宮の善のエンブレムである鷲であり、ヘルメットにも鷲の像がついている。
水の元素にとって神聖な蓮の花は下を向いている。彼は他者には無関心なのだ。
杯からは、天蠍宮の善と悪のエンブレムである蛇が、鎌首をもたげている。
天蠍宮の象徴動物は、鷲・蛇・蠍だが、悪のエンブレムとされる蠍は描かれていない。蠍の象徴する腐敗作用は、錬金術で極めて秘密の過程だからだ。
天蠍宮は視野を狭く保ち、深く掘り下げていく性質がある。王子が杯の中の蛇を見つめているのは、自分自身の願望や欲望を満たすことのみに関心が向いているためだ。
彼は、杯の蛇に自分の願いを託しながら、降りしきる雨の中をその実現に向けて突き進んでいく。
対応する易の掛は、「61、風沢中孚」。
掛辞「豚や魚にまでその誠が及んで吉。大事を行ってもよい。ただし正しい道を守り続けた場合にのみ利を得られる。」
我を張らず、和を重視して事に当たるべき。
心に何ら真実のない人には、全てが裏目に出るときだ。
キーワード:
要領が良い・世渡り上手・芸術家・秘められた願望・ミステリアス
利己的・無慈悲
etc・・・